Vol.2 VELMOで大原に行ってみた!(後編)

Vol.2  VELMOで大原に行ってみた!(後編)
にしん蕎麦とソフトクリームで腹が満ちたら、
Velmo/Q2に跨がり大原巡りを再開致しましょう!

広い田舎道をのんびり行くのも良いですが、
小路を見るとついつい入りたくなってしまうのは、
コンパクトな自転車のせいなのか?
それとも単なる生まれ持ったサガなのでしょうか?
東の山裾にある「三千院」さんから、
西の山裾にある「寂光院」さんへと、
谷間をまっすぐ突っ切る観光道路は、
自動車が入って来られない、というか、
入ったが最後出られない様な細い遊歩道。

コロナ禍吹き荒れた頃は皆々閉まっていましたが、
今では営業しているお店さんも散策される方も増え、
暖かな空気と相まり「芽吹き」を感じますね。
大原の中央を南北に流れる高野川、
そこに掛かる人道橋を越えたならば遊歩道の終点。

橋の上から眺める高野川の流れは何とも綺麗で、
思わずボーッと突っ立って眺めてしまいます・・。

が、通行される人様の邪魔になるといけませんから、
チャッチャと参りましょう、チャッチャと。
さぁ谷を超えたならば再び上りが始まりますよ!

ママチャリで来たら敬遠してしまいそうな坂も、
e-bikeのパワーがついてりゃ百人力。
いや、百人分も力があると大変な事になりますので、
実際には1.5人力から2人力といった所でしょうか?

お遍路さんの「同行二人」じゃないですけどね、
一人じゃないもん!なんて嘯きながらGo!
比較的傾斜のきつい三千院さん側と違い、
寂光院さん側はしばらくなだらかな道が続きます。

その分、風景も穏やかと言うか、
如何にも日本の原風景ってな里山が広がっており、
路傍の野花を愛でながらペダルを漕ぐと、
「こういう所に住んでみたいなぁ〜」
と心底感じ入ってしまう次第。ちょっと安直ですか?
とかのんびりやっていると道案内の看板発見。
なになに?寂光院さんまで10分、ですと?

急ぐ旅じゃ無いとは言え、
こちとら跨るは電動アシスト自転車。
徒歩10分の行程をどの位の時間で行けるのでしょう?

興味本位で測ってみましょう。
よ〜い、どん!
はい、ゴール!

掛かった時間は約2分半。
徒歩と比べると4倍程度の差が出る訳ですか。
上り坂で、立ち漕ぎもせず、
更に言えば息も切らせずこの効率ってのは、
さすが電動アシスト自転車!良い仕事してます。
着いた〜、と自転車を下りると?
トトトトトトトトト・・・・・
どこかで微かな音がリズムを刻んでいます。

何の音かしら?と音の方へ向かうと、
山から流れ出た段々の水路を流れる水の音。

この微かな音が聞こえる事をして、
改めてこの場とてもとても静かな事を実感。
さぁ徒歩で石段をのぼって寂光院さん詣り。

と見せかけて。
この脇に伸びる道が、やはり気になる。

よし、この道が何処まで続いているのか、
ちょっと上ってみましょう。
砂防ダム工事の現場までは広かった道も、
この先は林道になり、更に行けば山道へと。

迷路の様な道を正しく辿れば、
シャクナゲ尾根を経て天ヶ岳へ続く道ですが、
今日は山登りの日ではありませんので、
キリの良い所で引き返します。
Velmo/Q2にはアシスト力を操作するモニターがあり、
そのパネルに時速や走行距離が表示されます。

三千院さんと寂光院さんをハシゴして、
その他ウロウロも含めて本日の走行距離約6km。

坂ばかりの道といえども電気の力で疲労はほぼ無し。
この勢いでもうちょっと足を伸ばしてみますか?
高野川沿いに北上する事、約3km。
旧街道に面しひっそりと立つ異形の門。

ここは「古知谷・阿弥陀寺」さんの入り口です。
この門を知る人は多いかと思いますが、
実際に阿弥陀寺さんへ赴かれる方は少ないはず。
何故なら阿弥陀寺さんは急な山道を、
グググググっと上った先にあるから。

日常生活では出会う事など無さそうな、
強烈な勾配の道を1km、というと言い過ぎですが、
それでも1km弱ほども上った先で、
やっと阿弥陀寺さんに至るのです。

電気の力で坂をいなすe-bike「Q2」。
その真の力をこの坂で試さない手はない!

事も無いのですが、折角なので試してみよう、と。
普通の自転車で行くと本当〜にしんどいんですよ。
いや、しんどいというか自転車を趣味とする人でも、
「あんな所行くの?」となる人も居られる様な道。
さすがに「楽々〜」とは参りません。

ですが、いくらe-bikeといえども、
こんな坂を登る前提では無いでしょうから、
そもそもがかなり無茶をさせている訳で、
寧ろ「本気出させたらここまで出来るか!」と驚き。

前輪が浮き上がる様な道を、
普通に上れてしまいましたからね。
境内の入り口から見上げると、
石垣の上に浮いて建つインパクトの強い建築物が。

「瑞雲閣」という茶室なのだそうです。
鳥取県の投入堂ではありませんが、
先にこの姿を見てから中に入ったら・・・、
ちょっと怖いかもしれません。
三千院さんなど比べると知名度は低いでしょうし、
規模も随分小ぢんまりした感じですが、
こんな「辿り着き難い場所」にある事を思うと、
この立派さは信じ難いというか、
海底にある竜宮城の山版、の様にも感じませんか?

さぁ拝観料をお納めしてお邪魔致しましょう。
書院から望む中庭はけっして広くありませんし、
豪華でもありませんが、故に野趣を感じさせます。

お邪魔したのは3月なのであっさりしてました。
しかしこれが春になり4〜5月になると、
九輪草がパーッと咲き出して、
他には無い何とも良い風情を醸してくれるのです。
お堂にご挨拶すると奥が石室である事に気付きます。

この奥には阿弥陀寺を開かれた、
弾誓上人さんの即身仏があるそうです。

日本で最も西に&最も南にある即身仏との事。
大政奉還の頃に納め直されて以降、
一度も公開されていない、と聞くと、
なんだか・・・時間の感覚が麻痺しますね。
本堂は流石の豪華さです。

奥に御座す御本尊さんは、
阿弥陀寺を開いた弾誓上人自ら草刈り鎌で削られ、
おまけに自身の髪の毛まで植えられたそうな。

強烈な方ですね、弾誓上人さんというのは。

本堂の外廊下に陽当りの良い場所があったので、
しばし日向ぼっこと洒落込んでみました。

そして何気なく上を見上げると?え?御駕籠?

舗装路が敷かれるまでは、
この御駕籠が交通手段だったのかもしれません。
比べて自転車で来れる現代とは何と便利な事か。
半分宙に浮く茶室・瑞雲閣。

入ってみたいです。
少し怖くもあるけれど入ってみたい。

でも現在は一般公開されていないので無理。
残念な様な、良かった様な?
もし自分が此処で生まれていたならば、
絶対に瑞雲閣に侵入して遊んだでしょう。
そして見つかって強烈に怒られ只管打座を繰り返し、
何かに開眼してしまっていたかもしれません。

てな妄想をしているとドンドン時間が過ぎますので、
そろそろ御暇する事と致しましょう。

この画像の何処かにQ2が写っているの分かりますか?
阿弥陀寺さんからズドーンと下りて来て、
高野川沿いを走って再び大原の集落へ。

メーターを見ると本日の走行距離は約11km。
平地ならアっという間の距離でしょうが、
これだけ勾配のある地形を楽にこなせるのは、
やはりQ2の持つ強力なアシスト力に依る所が大きく、
まして歩いてこの道程を回るとなると・・・ね。
レンタサイクルなどの交通手段が整った、
大規模観光地は快適で楽しい物ですが、
今回の様に少し鄙びた場所を散策するのも、
また違った趣があり良い物です。

貴方ならQ2を車に積んで何処へ行きますか?
そんな事を考えているだけで楽しいですよね!

(終)
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